なまらなんくるないさ



■■■ 2017.3.12 ■■■
#631 基本となる構図

まずは、実存するものを見る行為が大切である写真と、
作家の想像力が、作品に反映される絵画とでは、
構図のあり方が、やや異なる気がします。

意識をして何かを見る時に、視野の真ん中で捉えるとするならば、
最も撮りたいものをファインダーの中央に置くのは、ごく自然なことだと思います。
メインとなる被写体のほかにも、関係するさまざまな要素があるので、
それらすべての重心が画面の中心にあるように、というほうが正しいのかもしれません。
自分の場合は、まずは日の丸構図を基本に考えて、
その時に応じて、フレーミングの修正をしている感じです。


 撮影地 : 東京都 練馬
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.14 ■■■
#632 犬ではない

歩いていると急に寒くなり、手袋を買うことにします。
たまたま近くにある店で、いぼいぼのついた黒いものを購入しました。

家に着いて手袋を脱ぐと、コールタールのような悪臭がします。
手袋だけではなくて、自分の手からも発しているではありませんか。
100円ですから、仕方がないのかもしれません。

よく似たものが、コンビニにありました。
これは臭くないのだろうかと、鼻を近づけてクンクンしてみます。
視線を感じて振り向くと、店員さんが怪訝そうな顔でこちらを見ていました。


 撮影地 : 東京都 西新宿
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.18 ■■■
#633 極私的な行為

写真というものは、私的な色合いの濃い行為だと思います。
広告写真では、クライアントやデザイナーの合意の下で、
最終的には、カメラマンがシャッターを切りますが、
世の中で撮られている写真の多くは、そうではありません。
ファインダーを覗いている人が、誰の意見も求めずに、
思うがままに、カメラに画像を取り込んでいくのです。

何から何までひとりというのが、写真の面白さのひとつかもしれません。
撮影する時間や場所、被写体となるものまで、
自分の意思と責任で、シンプルに選ぶことができます。


 撮影地 : 東京都 代官山
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.20 ■■■
#634 いまさらながら

最近のカメラは、自分には宝の持ち腐れの感があります。
写真を始めた頃から、露出やピントはマニュアルのことが多いので、
自動化された機能のありがたさが、よく理解できていないのです。

オートフォーカスの動体予測は、急速に進化をしています。
3Dトラッキングやオートエリアなど、いろいろなモードがあり、
違いがよくわからずに、見て見ぬふりをしていたのですが、
さすがに勿体ないような気がして、少し試してみることにしました。
本屋さんで解説書を買い、ようやく多少は理解ができたので、
どのような写真が撮れるのか、いまさらながら楽しみです。


 撮影地 : 東京都 渋谷
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.22 ■■■
#635 スラヴ叙事詩

国立新美術館で、ミュシャ展を観ました。
アルフォンス・ミュシャといえば、ポスターの作品が広く知られていて、
アニメを彷彿とさせるような、柔らかな曲線のデザインが印象的です。

展示の目玉は、スラヴ叙事詩という20点の大作です。
最近になり、ようやく本格的に一般公開されたようなので、
ミュシャをグラフィックデザイナーのように感じていたのも、仕方がないのかもしれません。

最も大きな作品は、和室に換算すると24畳もあります。
どれほどの絵具を使用したのかと、妙なことが気になるのです。


 撮影地 : 東京都 乃木坂
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.24 ■■■
#636 もうひとつの事実

米国大統領の顧問が、alternative facts という言葉を使いました。
もうひとつの事実、と日本語では訳されています。

それを聞いて、写真にも似たような感覚がある気がしました。
撮られた画像は、確かに実存するものですが、
実際には、そのように見えていないのではないか、
カメラやレンズのレトリックで、そのように見せているのだろう、
と感じることも、少なからずあるのではないかと思います。
しかし、写真は撮影をした人による現実であり、
いわば、alternative facts のようなものなのかもしれません。


 撮影地 : 鹿児島県 山川
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.26 ■■■
#637 カステラなるもの

記憶力に自信がなくて、最近は物忘れがひどいため、
スーパーに行く時には、買わないといけないものをメモして出かけます。

気合いを入れれば、そこそこ綺麗な字を書くことができますが、
普段は原始人の落書きみたいで、自分でも判読できないことがあります。
メモを見ると、カステラと書いてあるようなのですが、
カステラを食べるつもりはないので、違うもののはずです。
しかし、どこからどのように眺めてもカステラにしか読めません。
カステラなるものを買わずに帰りましたが、生活に支障はありません。
カステラとはなんなのだろうと、いまだに気になるのです。


 撮影地 : 東京都 練馬
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.28 ■■■
#638 電子式と光学式

最近の一眼のファインダーは、電子式が増えています。
暗くても見ることができて、表示される情報量も豊富です。

しかし、自分には光学式のほうが馴染みます。
電子式は、被写体に実際に当たる自然光ではなくて、
液晶などが発する人工的な、いわば二次的な光なので、
なんとなく、リアリティに欠ける気がしてしまうのです。

これは、フィルムの頃から撮影しているからこその感覚で、
デジタルから写真を始めた人は、違和感がないのかもしれません。


 撮影地 : 鹿児島県 鹿児島
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.3.30 ■■■
#639 初めてづくし

鎌倉駅から鶴岡八幡宮までは、何度か歩いたことがありますが、
今回は初めて、その先にまで足を伸ばしてみました。

報国寺の竹林は、素晴らしいところでした。
広くはありませんが、その密度感に圧倒されます。
超広角レンズがあれば、さらに楽しく撮れたはずです。

外国の観光客に、シャッターを押して欲しいと頼まれました。
スマートフォンで撮影をするのは、生まれて初めてです。
たぶんここだろうと、モニター内の丸いところを押してみました。


 撮影地 : 神奈川県 鎌倉
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2017.4.1 ■■■
#640 そろそろどこかに

現在のフル装備であるレンズ5本を持ち、出かけました。
これだけの機材を持つのは半月ぶりなので、やや心配をしましたが、
歩き始めてしまえば、重さも気にならなくなります。
さすが写真馬鹿ですが、それがよいことなのかどうかはわかりません。

若い頃は、それ以上の機材を右肩に、
さらに三脚を左肩に掛けて、海だ山だとを歩いていたのですから、
いまから思えば、どうかしていたのかもしれません。
不自然な重さが、体のあちらこちらにかかるわけですから、
そろそろどこかに痛みが出ても、おかしくはないはずです。


 撮影地 : 北海道 網走
写真をクリックすると拡大します


トップページはこちら   「なまらなんくるないさ」掲載一覧はこちら   前のページはこちら   次のページはこちら