なまらなんくるないさ



■■■ 2015.12.20 ■■■
#421 顔のないスナップ

人物の表情がわかるようにスナップをすることは、それほどありません。
正面から迫る度胸がないのだろうと問われれば、その通りです。

どこの誰であるのかが特定できるように撮りたいと思うことは、あまりないのです。
顔は唯一無二なので、大小に関わらず写り込むことにより、
全体を支配して、その人が主役の写真になる気がします。
いわば、スナップポートレートと呼ぶのが適切なのかもしれません。

自分が撮影をするものは、普遍化をさせたいことが多いので、
具体性が高い要素は、できるだけ外すようにしています。


 撮影地 : 神奈川県 江ノ島
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■■■ 2015.12.21 ■■■
#422 ひとつ前の角で

歩き慣れた道ではなくて、ひとつ前の角を曲がりたくなるのは、
写真を撮る人ならではの、特権かもしれません。

なんの変哲もない通りで、意外な発見をすることもあります。
確率的には大きくはないのですが、宝くじを買うのと似ていて、
当たろうが当たるまいが、どきどきしながら、
カメラと一緒に見知らぬところを歩くと、アドレナリンが出るのです。

同じ場所でも、天気や時刻で見える景色が異なります。
それがまた、一期一会の愉しみです。


 撮影地 : 東京都 西新宿
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■■■ 2015.12.22 ■■■
#423 観察力不足

晴れた気持ちのよい日に、川越に行きました。
喜多院の五百羅漢は、実際には500体以上いらして、
その中に自分に似た方がいる、という話を聞いたことがあります。
そして、おひとりだけ眼鏡をかけているそうですが、
あちらこちらと捜したものの、見つかりません。
実際には存在をしない、都市伝説ではないかと思いました。

家に着いてからインターネットで調べると、やはり本当におられます。
眼鏡は眼鏡でも、鼻眼鏡をかけたような感じです。
観察力と注意力のなさを、またしても痛感させられました。


 撮影地 : 埼玉県 川越
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■■■ 2015.12.24 ■■■
#424 聖なる夜に

師走になると、先生ではない自分もばたばたとします。
さらに、クリスマスが気忙しさに拍車をかけるのです。
生まれてこのかた、クリスマスとは縁がありません。
あるとすれば、年齢がサンタクロースに近づいてきたことくらいです。

今年の街のイルミネーションは、超派手ではない感じがします。
景気がよいらしいので、さほど飾りつけをしなくても売れるのかもしれません。

聖なる夜に、フジツボ型のフードを買いました。
自分への、ささやかなご褒美です。


 撮影地 : 東京都 銀座
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■■■ 2015.12.26 ■■■
#425 干支ではなくて

年賀状を書く枚数が、以前の10分の1くらいになり、
3年ほど前から、自分でプリントをすることにしました。
印刷会社に注文をするとオフセットになり、油彩のような重みがあります。
自宅でできるのはインクジェットなので、軽やかで水彩的です。
同じ写真でも、仕上がりの印象が異なります。

ニホンザルの北限が青森で、よく旅をした北海道に猿がいないこともあり、
来年の年賀状も、申の写真ではないのです。
毎年、干支とはまるで関係のない動物が起用されるので、
受け取られた方々は、いつも戸惑われているのかもしれません。


 撮影地 : 北海道 札幌
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■■■ 2015.12.28 ■■■
#426 岸辺のアルバム

桜井里香さんの「岸辺のアルバム」を、新宿のギャラリーで拝見しました。
多摩川の河原でロケがされたスナップで、すべてに自分自身が写り込んでいます。
必ずサングラスをかけているのですが、目を隠したことで匿名性と普遍性が高まり、
味付けが濃くなりすぎるのを防ぐとともに、シュールさが醸し出されているように感じました。

メリハリの利いた丁寧なプリントはトーンが揃い、個々の重複感もありません。
スナップとしてもセルフポートレートとしても完成された、印象に残る写真展です。

作者の方は、画面のどこに入ろうかとワクワクしながら、
液晶モニターで確認をして、現場で撮影をされていたことと思います。


 撮影地 : 東京都 新宿
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■■■ 2015.12.31 ■■■
#427 これからも変わりなく

母を車椅子に乗せて、近くのお寺に行きました。
大晦日の夜からは、人が多くなりそうなので、
少し早いのですが、お参りをさせていただきます。

ここの十一面観音様のことを、お気に入りです。
優しい表情をされているわねと、ご満悦でしたが、
お顔がたくさんあるのねと、いまさらながらのようなことも言います。

今年もまた、自分のペースで写真と関わることができました。
これからも、自己満足をべースに撮り続けたいと思います。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2016.1.1 ■■■
#428 新年早々

地方でロケをしていた頃は、午前4時に集合をしたりしましたが、
最近はそのようなこともなく、暗いうちに出かけるのはひさしぶりです。
初日の出を撮るつもりでしたが、太陽は森の陰に隠れてしまい、
撮影が不可能なほど強烈な光を発する頃に、ようやく顔を出しました。
新年早々、出たとこ勝負で敗北です。

神社の前を通ると、例年なら長蛇の列ができているはずが、
どのようなわけかすいていたので、のんびりと初詣をさせていただきました。
景気が回復したので、神様にお願いをしなくてもよいのか、
それとも、遠くに出かけている人が多いのかもしれません。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2016.1.4 ■■■
#429 試行錯誤の4日間

元日からの4日間、遠くには出かけずに、
近所の同じところを歩いて、ひたすら撮影をしていました。

写真は一期一会なので、出直して写してもよい結果になることは少ないと思いますが、
撮影をしたカットを夜にチェックをして、光の状態やカメラの設定で気づいたことを、
翌日に同じ被写体で新たに試して、どのような差が出るのかを確認してみました。
このように繰り返して試行錯誤ができるのも、休みが続く時期ならではかもしれません。

画面内に太陽を大きく入れてフレーミングをする時は、気をつけないといけません。
ファインダーだと目を傷めることがあるので、背面のモニターを見ながら写しました。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2016.1.6 ■■■
#430 レタッチ考

デジタルの時代になり、画像処理ソフトが普及するようになると、
それに伴い、写真にレタッチをすることの是非が議論をされたり、
するならばどの程度までが許されるのかについて、いろいろな意見が出ています。

レタッチは、写真に化粧をするようなものだと思います。
撮影をしたままの写真はいわばスッピンで、そのままで街中を歩く人は少ないはずです。
女性が化粧をするのはよくない、と考える人はほとんどいないのと同じように、
魅力を伝わりやすくするために手を入れることについては、問題が気がします。
濃すぎると、実物と違う人に見えてしまう懸念がありますから、
証拠や証明のために使うのであれば、過度にするのは控えたほうがよいのかもしれません。


 撮影地 : 神奈川県 石川町
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