なまらなんくるないさ



■■■ 2015.9.24 ■■■
#381 いつでも幸せ

最近の降り方は、昔とは違うようです。
しとしとではなく、スコールのようなことがよくあります。
すぐに晴れて、虹を見る機会も多くなりました。

雨の中の太陽光は、とてもフォトジェニックです。
天気は変わりやすいので、急がないといけません。
バッグの外側のポケットから、躊躇することなくカメラを出して、
単焦点レンズなので、ズームのことは考えずに、
スイッチをオンにしたら、そのまま片手でシュートをします。
カメラがあれば、いつでも幸せです。


 撮影地 : 東京都 西荻窪
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■■■ 2015.9.26 ■■■
#382 マネキンは動かない

学生を京都の寺社に連れて歩いて、後日に質問をしたら、
きちんと観察をしていたのは、カメラを持たないグループで、
撮影をしていた人たちは、よく見ていないようだと、
その昔、新聞のコラムに掲載されていた記憶があります。

しかし、自分の場合はむしろ逆です。
写した場所のことは覚えていても、それ以外は忘れてしまいます。
被写体を観察するので、脳裏に焼き付くのかもしれません。
あまりに見すぎて、シャッターチャンスを逃してしまうこともあるのですが、
相手がマネキンならば、その心配はありません。


 撮影地 : 東京都 下北沢
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■■■ 2015.10.1 ■■■
#383 瞬きの間に

大陸に向かい、ほとんど消えたはずの台風が、
温帯低気圧で逆戻りをして、急速に発達をしました。
風雨が強くなり、まさに爆弾低気圧です。

雨には非日常感があり、撮影日和ともいえます。
ヘッドライトに浮かぶ夜の雨と、濡れた路面。
ISOは800にセットをして、シャッターは1/10秒。
これほどシャープに撮れるとは、最近の手ぶれ補正は優秀です。
走る車のライトと雨粒だけが、流れて写りました。
人間の瞬きのスピードも、1/10秒くらいのようです。


 撮影地 : 東京都 西新宿
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■■■ 2015.10.5 ■■■
#384 構図

動画に馴染めない理由について、いろいろと考えてみましたが、
そのひとつに、構図があるような気がします。

絵は構図が大切だと、とある版画家の方は仰います。
写真においても、本質ではなくても重要な要素であることは確かです。
個人的には、特にこだわりが強いためか、
思い描く構図に保ち続けることが難しい動画は、生理的に合わないのかもしれません。

息苦しいほど構図が安定していると、昔から言われますが、
無意識にそのようにできることは、自分らしさだと思うようにしています。


 撮影地 : 東京都 代々木
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■■■ 2015.10.9 ■■■
#385 ワンダーランド

晴れと曇りでは、同じ場所でも違う景色に見えます。
晴れると影が出ることでカタチが増えて、複雑に感じるに対して、
曇りでは光が回り、ディテールが明瞭になるのです。

白いウサギに誘われるように、細い路地へと入ります。
歩きながら発見したものを、カメラという箱に収めました。
まるで、不思議の国のアリスのようです。

箱の中を見ると、意外とつまらないものが多いのですが、
宝探しをしている時間が楽しければ、それで十分に満足ができます。


  撮影地 : 東京都 西新宿
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■■■ 2015.10.12 ■■■
#386 猫の前では

撮影をしながら、ひとりごとをよく呟くのです。
それだけではなくて、被写体とお喋りをすることもあります。
お地蔵さまはもちろん、自転車などにも平気で声をかけたりするので、
変人と呼ばれても、否定ができないかもしれません。

無機質なものと話すくらいですから、動物にも声をかけますが、
不思議なのは、猫に対しては赤ん坊言葉のようになるのです。
馬鹿ではないのかと、猫に思われている懸念はありますが、
「世界ネコ歩き」の岩合光昭さんも、甘い言葉で話しかけているので、
そのようになるのは、誰でも普通なのかもしれません。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2015.10.14 ■■■
#387 記念写真

観光地にいると、それらしい格好をしているせいか、
シャッターを押して欲しいと頼まれることが、しばしばあります。

他人の記念写真のように、自分の意思で撮ろうとしたものではない場合は、
どのようにフレーミングをするべきか、咄嗟には解が見つからないことがあります。
フィルムならば、1枚写してカメラを渡してしまえば終わりですが、
デジタルカメラだと、結果を見て撮り直せます。
しかし、何回もシャッターを切るわけにもいきません。
満足がいかないまま、カメラを戻さないといけない時は、
申し訳がないという思いとともに、我が腕の未熟さを感じるのです。


 撮影地 : 東京都 芝
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■■■ 2015.10.16 ■■■
#388 夕陽のカメラマン

晴天なので、見晴らしがよかろうと東京都庁に行きました。
上りのエレベーターはがらがらで、乗客はわずかに3人だけです。
展望台にいる半数以上は、海外からの観光客のようで、
西側の窓際は、カメラやスマートフォンを構えた人たちで賑います。
ガラスの映り込みに注意をしながら、夕陽を写すことにしました。
手持ち撮影なので、水平がきちんと出るように気をつけないといけません。

陽が沈んでから降りると、1階のエレベーターには長蛇の列ができていました。
夜景を見るのであれば、日没前からのほうがお勧めかもしれません。
自然光から人工光に移り変わる姿が、また美しいのです。


 撮影地 : 東京都 西新宿
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■■■ 2015.10.19 ■■■
#389 セレクト

プロとアマチュアの写真展には、セレクトに差があるように感じます。
アマチュアも、プロに負けない素晴らしい瞬間を撮りますが、
苦労して写したお気に入りのカットが惜しくて、外すことができずに、
モチーフやアプローチの似たものが、いくつも展示されていることがあるようです。
明確な意図がなくて同じような写真が並ぶと、インパクトを弱めてしまうので、
ひとつに絞り込むことができれば、全体の構成の密度が高まると思います。

エビグラタンとカニグラタンのどちらも、とても美味しく作ることができたとしても、
コースに出すのであれば、吟味をしてひとつにするはずです。
自分のようなグラタン好きでも、続けて両方が出たらしんどいかもしれません。


 撮影地 : 東京都 品川
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■■■ 2015.10.21 ■■■
#390 ニューヨーク1980

「ニューヨーク1980」という、写真とエッセイの本を買いました。
著者の大竹昭子さんは、写真評論などで知られていますが、
ご自身が撮影をされたモノクロの写真も、なかなかに素敵です。
漢字とひらがなのバランスも、独特な感じがしました。

写真に関連して、ニューヨークを舞台にした本としては、
小久保彰さんの「ニューヨーク・アートスケッチ」も、忘れられない1冊です。
少し離れた立ち位置から、1980年頃のニューヨークを眺めています。
「アメリカの現代写真」という、同じ著者が書いた本と併せて読むと、
写真が多様化していく時代に、タイムスリップをすることができます。


 撮影地 : 北海道 函館
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