なまらなんくるないさ



■■■ 2014.10.13 ■■■
#221 台風ふたたび

しばらく前に台風が来ましたが、今週もまた上陸をするようです。
2週も続けてとなると、10年ぶりだそうで
規模が大きいというので、数日分の食事を買い貯めておくことにします。
スーパーに向かう途中で、いつもの公園に寄り道をしましたが、
3連休で遠出をしている人もいるのか、普段の休日よりは閑散としているようです。

それでも初老のご夫婦が、仲良くそれぞれの一眼レフを手にしていたり、
その近くでは、ガールフレンドを写している若者がいたりします。
デジタルカメラの時代になり、手軽に撮れるようになりました。
フィルムがなくなり嘆いている自分も、かつてよりも写真を楽しんでいる気がするのです。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2014.10.15 ■■■
#222 激突を誘う太陽

台風一過、朝からドピーカンになりました。
空気中に紛れ込んでいた、幾千万の塵や埃や煩悩が、
大雨に流され、強い風で飛ばされただけで、
これほどまでに、綺麗に抜けた青空になるとは驚きです。
何にも遮られない太陽は、真夏のように振る舞います。

強烈な空の色に誘われて、シャッターを切ります。
白い雲が、キーンと空に浮かんでいました。

日射しに迷わされたのか、男が自動ドアに激突していました。


 撮影地 : 東京都 西新宿
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■■■ 2014.10.17 ■■■
#223 果てしないもの

フィルムで写していた頃は、構図に厳格でした。
カラーで撮る時は、90%くらいは三脚を立てていて、
ほとんど、フレーミングバカみたいなところがありました。

デジタルカメラを使うようになり、画素数が増えるだけではなくて、
高感度で撮ることができるようになると、三脚を使わなくなり、
多少のトリミングは後でできるのだ、と思い始めたら、
油断をすると、最近は画面が曲がり放題です。
気をつけて写したつもりなのに、水平線が傾いていたりします。
人間は緩み始めると、果てしないものかもしれません。


 撮影地 : 神奈川県 観音崎
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■■■ 2014.10.19 ■■■
#224 メビウスの輪

テーブルフォトを撮るのは好きなのですが、苦手でもあります。
どこが難しいのかというと、被写体とカメラの両方をコントロールできてしまうからなのです。
被写体を動かしたら、カメラのセッティングを変えたくなり、
カメラ側を操作すると、今度は被写体をずらしたくなります。
いつまでも終わらない、メビウスの輪のようです。
完璧主義というよりは、優柔不断なのかもしれません。

テーブルフォトを撮る時は、心の中に第三者を置いて、
もうそのくらいでよいですと、セーブをかけるようにしていますが、
撮影をした写真を後で見ると、こうすればと思うこともしばしばあるのです。


 撮影地 : 東京都 六本木
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■■■ 2014.10.21 ■■■
#225 神社でラテン

散歩をしながら、神社の近くまで来ると、
いつもとは違い、とても賑やかです。
なんと、境内で披露宴が開かれていました。

この神社には、数百回は訪れていますが、
結婚式をしているのを、初めて見ました。
それも、日本らしくない雰囲気です。
ラテンの音楽が演奏されて、着ている服もさまざま。
開放的で、とても楽しそうです。
日本の懐の広さを、改めて感じました。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2014.10.23 ■■■
#226 似たもの夫婦

空き箱を集めている母を見て、そんなにたくさんどうするんだと父が叱ります。
母は、これからいるのよ!と反論をします。
かくいう父の脇にも、和菓子の空きケースが置いてあり、
捨てようとしたら、必要なんだよ!と言い張ります。
父も母も昭和ひと桁生まれで、物が無い時代のせいかと思いましたが、
どうやらそうでもなく、ただ単に性格のようです。

和菓子のケースを使う気配がないので、何も入れないなら明日捨てるよと言うと、
翌朝起きてみたら、ドングリが詰め込んでありました。
リスではあるまいし、どうかしています。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2014.10.25 ■■■
#227 ステレオ

歩き疲れたので少し休もうかと、喫茶店に入りました。
空いている席はひとつだけなので、そこに座りましたが、
お爺さまとお婆さまのグループに挟まれた場所で、みなさまの声が大きいのには驚きです。
耳の遠い方々がお喋りをされているので、仕方がないのですが、
右と左で別々の話をされると、不協和音をステレオで聴かされている感じがします。
おまけに相手の声に対抗するかのように、お互いにボリュームを上げていくので、
緩衝地帯にいるこちらは、ただ体をすくめるばかりです。

そのうちに片方のグループが、どうもどうもと言いながら散会となりました。
モノラルになり音量も下がり、ようやくのんびりすることができます。


 撮影地 : 東京都 銀座
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■■■ 2014.10.27 ■■■
#228 旅の証

階段でつまづいてカメラが傷ついたと、父が嘆いていました。
怪我をしないように、身代わりをしてくれたのかもしれません。

それほど雑にしているつもりはないのですが、自分のカメラやレンズもぼこぼこです。
旅をしていると、不用意にぶつけてしまうことがあり、
気にするときりがないので、傷は勲章だと割り切るようにして、
画像に影響が出るレンズ面だけは、気をつけています。

撮影機材の傷みは、一緒に歩いてきた証かもしれません。
これからも、少しずつ増えると思います。


 撮影地 : 北海道 釧路
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■■■ 2014.10.29 ■■■
#229 宛名のないラブレター

以前は旅の予定をいくつも立てて、時間があると順番に実行に移していました。
いまは遠くまで旅をする余裕が、なかなかありません。
その代わりに、近所の散歩に精を出しています。
毎週のように同じところを歩くと新しい発見があり、それはそれで楽しめます。
しかし、それだけでは物足りなさも感じます。

「地図と時刻表をかたわらに、テーブルの上に描く地平線に向けてひとり想像の旅に出る」のは、
「心情のおもむくままにどこへでも行けるのだが、もっとも肝腎な出会い」がなくて、
それは「ちょうど宛名のないラブレターに似ている」というのは、写真家の森山大道さんの言葉です。
最近の自分は、宛名のないラブレターすら書かなくなりました。


 撮影地 : 北海道 夕張
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■■■ 2014.10.31 ■■■
#230 各駅停車で

横浜まで、始発電車で行くことにしました。
たまには、各駅停車もよいものです。
特急や急行に何回も抜かされて、到着まで1時間半もかかります。
隣の席の人も、途中で何度も変わりました。

本を読み、のんびりと音楽を聴きながらの小旅行。
最近の自分には、とても貴重な時間です。

横浜のような港町には、元町という地名がよくあります。
時間ができたら、各地にある元町を撮り歩きたいものです。


 撮影地 : 神奈川県 元町・中華街
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