なまらなんくるないさ



■■■ 2020.10.22 ■■■
#1311 これも個性

自分の写真には、余韻や行間がありません。
写されているものがすべてで、それ以上でも以下でもないのです。

目の前の光景をこのように見ました、というだけなので、
何を撮影したのかは明快ですが、拡がりが感じられなくて、
他者の想像力をかき立てるものは、ほとんどない気がします。

もう少し緩く撮るほうがよいのではなかろうかと、考えたこともありますが、
生まれながらの石頭が障害となり、なかなかできません。
これも個性だと、いまでは肯定的に捉えるようにしています。


 撮影地 : 神奈川県 長谷
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■■■ 2020.10.24 ■■■
#1312 街歩きの一本

家にいる時間が長いと、お金がかからなくてよいと安心をしていたのも束の間、
いらぬことを思いついてしまうために、逆に出費がかさみます。

いままで所有しているズームレンズは、すべて3倍までのものでしたが、
最近は高倍率な製品でも性能がよさそうなので、ひとつ試してみることにします。
以前に候補にしていたのは、マイクロフォーサーズですが、
カメラをフルサイズに統一をしたので、ニコンの24-200mmにしました。
ボディとのバランスが良好で、24-50mmのような沈胴式ではないので扱いやすくて、
解像度に関しては期待通りで、逆光特性もそこそこ満足ができます。
これからの街歩きは、この1本だけでいけるかもしれません。


 撮影地 : 東京都 銀座
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■■■ 2020.10.25 ■■■
#1313 白い虎を撮る

ホワイトタイガーがいるという噂を聞いて、調査に向かいました。
鬱蒼とした森の中での撮影は、薄暗いほうが雰囲気に合うのではないかと、
雨の日を見計らい、いそいそと出かけます。

幸いにも、すぐに発見をすることができました。
ぴくりともしないので、時間をかけて撮影ができます。
動かれると写しにくいので、大助かりです。

瞬きをしないので、目にピントを合わせやすいのですが、
生命体ではないためか、瞳検出AFは機能をしませんでした。


 撮影地 : 東京都 原宿
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■■■ 2020.10.27 ■■■
#1314 生誕99年写真展

石元泰博さんの生誕100年記念展が、3ヶ所の美術館で同時に開催されています。
1921年にお生まれになられたので、まだ99年のはずですが、
そのあたりは、大人の諸事情があるのかもしれません。

個人的な印象としては、#1149でご紹介をした奈良原一高さんと似ていて、
世代としてはひと回り上で、日本のオシャレスナップの元祖のような写真家ではないかと思います。
デザイン的なセンスやカルティエ=ブレッソンさんばりの瞬間の捉え方、ウィットを感じさせる作風などは、
アメリカのニュー・バウハウス仕込みなだけではなくて、最初から持ち合わせたものかもしれません。

1ミリでもお近づきになれたらと、展示会のポスターをガラスに映る景色に絡めて写しました。


 撮影地 : 東京都 初台
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■■■ 2020.10.28 ■■■
#1315 諸行無常

昨年まで住んでいた団地の建て替えが、ついに始まりました。
春になると綺麗な花を咲かせていた、我が家の前のニセアカシアの並木は、
すべて根こそぎ抜かれ、地面に転がされていました。
人間の都合で、仕方がないことかもしれませんが、
あたりには土の匂いがして、悲しい気持ちになります。

取り壊しの初日の様子は、リアルタイムで配信されました。
半世紀以上もそこで暮らした者としては、複雑な心境になります。
興味があればありがたい企画ですが、そうではない人もいるはずです。
見るのかどうかは、かつての居住者がそれぞれの思いで判断をしたに違いありません。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.10.30 ■■■
#1316 鎌倉にて 1

鎌倉に着くと、すぐに江ノ電に乗り換えることが多いのですが、
ひさしぶりに、駅の周辺を歩いてみました。

20年ほど前までの御成通りは、静かな裏道でしたが、
最近は次々と新しい店ができて、お洒落な感じがします。
いまはその当時の面影はなくて、もうひとつの表の顔のようです。

現在の状態も、もちろん悪くはないのですが、
旅をする者としては、かつての佇まいも求めてしまいます。
しかし、それはこちらの勝手な思い入れなのかもしれません。


 撮影地 : 神奈川県 鎌倉
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■■■ 2020.10.31 ■■■
#1317 鎌倉にて 2

買い物のスポットといえば、鶴岡八幡宮のそばにある小町通りですが、
駅を挟んで対極の位置に、御成通りはあります。
近くに御用邸が置かれていたので、そのように名付けられました。

かつては、銭湯や床屋などの生活に結びついた店もありましたが、
いまは、付近一帯が観光向けに様変わりをしています。
駅近の一等地ですから、当たり前かもしれません。

それでも、由比ヶ浜大通りのあたりまで歩くと、
昔ながらの家屋や雰囲気が、まだ残されているようです。


 撮影地 : 神奈川県 鎌倉
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■■■ 2020.11.2 ■■■
#1318 鎌倉にて 3

鎌倉からひとつ先の、和田塚駅のほど近くに、
歴史を感じさせてくれる、コンクリート造りのビルがあります。
現在はバーですが、かつては鎌倉銀行の出張所でした。

素敵な名前の銀行ですが、いまは存在をしていません。
第二次世界大戦が始まる1941年に、他行との合併で姿を消しましたが、
当時の建物が、ほぼそのままの状態で残されているのです。

あたりには、蜘蛛の巣のように電線が張り巡らされています。
それもまた、日本らしい風景かもしれません。


 撮影地 : 神奈川県 和田塚
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■■■ 2020.11.3 ■■■
#1319 鎌倉にて 4

鎌倉駅の東口を出ると、朱塗りの鳥居が目に入ります。
最初に訪れた昔からあるので、裏参道なのかと思いましたが、
鶴岡八幡宮とは直接の関係はなくて、小町通りのものだと聞きました。
いまから60年前に、商売繁盛を願い建てられて、
設置に関しては、お許しをいただいているそうです。

よく見れば、確かに奇妙なところがあります。
柱や神額に、通りの名前や近道という文字が書かれていますし、
ペコちゃんやポコちゃんが、すぐに近くから覗き込んでいるのも、
神社のものであれば、おかしなことかもしれません。


 撮影地 : 神奈川県 鎌倉
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■■■ 2020.11.5 ■■■
#1320 鎌倉にて 5

帰りがけに、駅前のカーネルさんにご挨拶をします。
#711では、アロハハワイアン風のスタイルを見せてくれたりと、
いつもコスプレで驚かせてくれますが、この日は鎧兜でした。

もともと武将顔なので、意外とお似合いですが、
戦国時代に、眼鏡はどうなのだろうかと思いますし、
白いスーツも脱いだほうが、ごわごわしなくてよい気がします。

このご時世ということで、マスクをされています。
次回はどのようなお姿なのか、またお会いするのが楽しみです。


 撮影地 : 神奈川県 鎌倉
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