なまらなんくるないさ



■■■ 2020.8.24 ■■■
#1281 函館モノクローム 1

北海道へと旅をする時に、まず降り立つのが函館駅です。
飛行機を使えば早いのですが、お金がかかるために、
学生の頃は、列車に乗り放題のワイド周遊券を買い、
陸路で青森まで行き、連絡船で渡るのが常でした。

これは以前の西口で、裏玄関のようなところです。
建て替えられた現在の駅舎は、機能的には素晴らしいものの、
かつてのほうが旅情を感じるのは、仕方がないことかもしれません。
レストランみかどは、1階と2階に座席がありました。
写真を眺めていると、埋もれた記憶が甦ります。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.8.25 ■■■
#1282 函館モノクローム 2

ここは駅の近くで、埋め立てられる前は漁港でした。
連絡船で到着をすると、たくさんのイカ釣り船が係留されていて、
いかにもはるばる来たぜ、という感じがしたものです。

いまは整備をされて、あたりの様子は一変しました。
広大な駐車場ができて、多くの観光客が訪れるようになり、
地域としては、間違いなく活性化をしたものの、
ありがちの景色になり、なんとなく残念です。
しかし、写真として残しておくことで、
記憶の風化が、僅かでも食い止められます。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.8.27 ■■■
#1283 函館モノクローム 3

駅から外国人墓地まで、海岸沿いに歩くのが好きです。
およそ4キロなので、普通ならば1時間でたどり着けるはずが、
カメラを手にしていると、半日くらいはかかります。

市電の終点のあたりに、函館どっくがあります。
入船町と呼ばれて、漁港のあるところです。
潮の香りがして、目の前には山がよく見えて、
のんびりするには、これ以上のロケーションはありません。
ビットとかボラードと呼ばれる、もやい綱を繋ぐための岸壁の突起があり、
そこに腰をかけて飲む缶ビールは、最高に美味しく感じます。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.8.28 ■■■
#1284 函館モノクローム 4

海を見下ろす高台に、外国人墓地があります。
函館は下田と並んで、黒船で来たペリーさんが要望をして、
日米和親条約により、最も早くに開港されたところです。

しかし実際には、地理的な近さからかロシアとの交流が盛んになり、
この地に写真術を伝えたのも、初代領事であるゴシケヴィッチさんです。

塀で囲まれた場所は、中華山荘という墓地で、
明治時代に、漂着をした中国人の遺体を埋葬したのが始まりです。
凸凹のある煉瓦が、歴史を感じます。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.8.30 ■■■
#1285 函館モノクローム 5

函館公園の中に、ちいさな遊園地があります。
すべての乗り物が、とにかくミニサイズで、
まさに、子供の国のような感じです。
日本最古という観覧車は、驚くほど低くて、
最上部でも、アパートの3階ほどしかありません。
この飛行機は大きいほうですが、可動範囲は狭いのです。

初老の男性がひとりで乗るのは、さすがにはばかられますが、
たまに、新しい遊具が増えていたりするので、
ついふらふらと、この場所に来てしまうのです。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.9.2 ■■■
#1286 函館モノクローム 6

道内に伝染病が入り込まないように、明治時代に検疫所が設置されました。
半世紀ほど前までは、この場所で実際に業務が行われていたそうです。

使われなくなり放置された状態が、長く続いたこともあり、
#623のように、建物が激しく傷んでしまいましたが、
その後に改装されて、ティールーム夕日として営業をしています。

山の端に沈む太陽がよく見える、絶好のロケーションにも関わらず、
当初は名前とは裏腹に、明るいうちに店を閉めていた記憶があります。
いまは営業時間が変わり、日没までお茶を飲んでいられるようです。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.9.3 ■■■
#1287 函館モノクローム 7

明治時代に造られた砲台の跡が、函館山にあります。
展望台からは、そこそこ歩かないといけないため、
観光名所にもならずに、放置をされた状態でしたが、
最近になり、マスコミで取り上げられる機会が増えてきて、
北海道遺産として、広く知られるようになりました。

最も高いところにあるのは指令所で、眼下に海が見える場所です。
いまはまだ、立ち入りは自由なのではないかと思いますが、
戦後に破壊をされたり、風化による劣化も激しいので、
そのうちに囲われて、保存をすることになるのかもしれません。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.9.5 ■■■
#1288 函館モノクローム 8

函館山を中心として坂が多いのも、この街の特徴です。
観光をするのであれば、てくてく歩いて登るよりも、
中腹のあたりまで、バスやタクシーを利用して、
下りながら散策をするのが、足腰が弱い人にはお勧めかもしれません。

ふたりの少年が、キャッチボールをしています。
我が家の近くにも、かつては広い草原があり、
軟式野球をしながら、よく遊んでいました。
その頃を思い出すと、つい懐かしくなり、
なんということのない光景でも、シャッターを切るのです。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.9.6 ■■■
#1289 函館モノクローム 9

歓楽街の中心は、五稜郭のあたりではないかと思います。
駅から松風町にかけても賑やかで、飲食店が軒を連ねていますが、
東京の喧騒に比べると、遥かに静かで落ち着いたものです。

この近くには、古くからのラーメン屋さんがあります。
よい意味で、なんの変哲もないのですが、
シンプルなのと、とにかく安いということもあり、
函館を訪れると、一度は足を運んでいました。
その後に、やや観光地化をしたものの、
素朴な味と手頃な値段は、いまも変わらないままです。


 撮影地 : 北海道 函館
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■■■ 2020.9.8 ■■■
#1290 函館モノクローム 10

日本で最初に開港された函館は、漁業で栄えたこともあり、
歴史を感じる建造物が、数多く残されています。
その一方で、大規模な再開発が計画をされているようで、
駅前から続く一帯が取り壊されて、更地の状態です。

#1281からの10点の写真は、最後に訪れた2013年よりも以前に、
それぞれ、ばらばらな時期に写したものです。
いまは諸般の事情で、なかなか身動きがとれなくて残念ですが、
そのうちに、また旅をする機会があるに違いありません。
街が変化をしているのかいないのか、それも楽しみにしています。


 撮影地 : 北海道 函館
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