なまらなんくるないさ



■■■ 2020.6.26 ■■■
#1251 写真は写真

自分の写真は、世の中に存在をしているものを写すだけなので、
作品と呼ぶのには、やや違和感があります。

カメラが捉えたイメージと肉眼の乖離を埋めるために、機材の操作はしますが、
被写体に対して、積極的に働きかけることはありません。
ほぼ相手任せで、こちらは受け身で撮るのみです。

砂浜で綺麗な貝殻を拾い集めたり、河原で面白い石を見つけるかのように、
気になる光景があれば、シャッターを切ります。
それ以上でもなければ以下でもない、それだけの気がするのです。


 撮影地 : 北海道 然別湖
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.6.29 ■■■
#1252 ついにその日が

#1137で書いた内容が現実となる、その日が来ました。
オリンパスが映像部門の譲渡、事実上の撤退を発表したのです。

昨年に投資会社から取締役を受け入れた時点で、このようになるのは想像がつきましたが、
事業を担当していた役員が退任をして、具体的な動きが感じられるようになり、
さらに業績予測の発表の遅れが、カウントダウンに突入したことを暗示していた気がします。

来年からは、新しい資本により再出発をするので、
いままでのようなカメラを作り続けることは、できなくなるのかもしれません。
まるで違うDNAの元で、どのように変貌をするのか見守りたいと思います。


 撮影地 : 中国 上海
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.1 ■■■
#1253 得ることと失うもの

カメラを持ち始めて写した最初のフィルムは、いまとは別人のようで、
何も考えていないのではなかろうかと思われるほど、ゆるい感じの写真ばかりですが、
裏を返せば、無心で素朴な視線なのかもしれません。

同じように、子供の時代に描いた絵はひどいものですが、
大人にはない、独特な見え方のように思えます。

2020年の自分が、その頃と同じように撮ろうとしても、
それは作為にしかならなくて、当時のようにはなりません。
年齢や経験から得ることは多いのですが、失うものもある気がします。


 撮影地 : 岡山県 真鍋島
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.3 ■■■
#1254 ひとそれぞれ

晴れた日は物がよく見えるので好きだ、というカメラマンは少なくないようです。
青空のほうが撮影をしている人が多いのは、間違いありません。

フィルムの頃は感度が低いために、暗いと撮るのが難しいのも理由のひとつではないかと思います。
雨が降ると出かけないという、スナップフォトグラファーもいました。

自分の場合は、むしろ曇天のほうがテンションが上がります。
ウェブサイトに掲載をしている写真の多くも、フラットな光で写したものです。
太陽が出ると、コントラストが強くなるために、
シャドーの部分が潰れ気味になり、見えづらくなる気がします。


 撮影地 : 高知県 高知
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.6 ■■■
#1255 それでよいのかも

カメラを手にして歩くようになり、かれこれ40年になりました。
写真の本質はいまだに理解ができませんし、これからもたぶん無理ですが、
付き合い方については、ようやく会得をした気がします。
大袈裟な表現をすれば、悟りを開いたようなものかもしれません。

撮影という行為が、生活の一部に入り込んでいるために、
新しい何かに挑戦をしようにも、そのための時間がありません。
自分の中には、もしかすると別の才能があるとしても、
いつも撮ることが優先をしているので、それが開花をすることはないのですが、
いまこれで幸せならば、十分なのだと思います。


 撮影地 : 北海道 夕張
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.9 ■■■
#1256 ようやく落ち着く

運び込みが遅れていた防湿庫が、ようやく新居に届きました。
一時的に出窓に並べておいた大量のカメラやレンズも、元の場所に戻ります。
過密状態に迷惑をしていたフクロウさんは、落ち着くに違いありません。

銀塩の時代には、画質はフィルムに依存をしていたために、
機材を買い替える必要は、あまりありませんでしたが、
デジタルでは新しいカメラが出るたびに、解像度や感度が向上をするので、
更新のサイクルが早まり、かなりの台数を購入してしまいました。
古い機種で撮影をする機会は、もうないはずなのに、
どの1台にも思い出があるので、手放すことができないのです。


 撮影地 : 東京都 練馬
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.11 ■■■
#1257 どこも非日常

有効期限が切れそうなので、東京都庁のパスポートセンターに行きました。
いつもならば混雑をしているはずですが、自分ひとりしかいません。
たくさんの職員の方々が、みなさん世話を焼いてくださるので、
あれよあれよという間に、更新の手続きは完了しました。

続いて、「森山大道の東京 ongoing展」へと向かいます。
いつ以来だかわからないくらい、ひさしぶりの東京都写真美術館です。
あちらこちらに係員がいて、物々しい雰囲気がします。
頭に拳銃のようなものを向けて検温をするのも、初めての経験です。
なぜ離れているのに測れるのか、非科学的な自分には不思議でなりません。



 撮影地 : 東京都 恵比寿
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.12 ■■■
#1258 ひさびさの都会

この春から、羽田への飛行経路が新設されて、
地上に近いところを、ジェット機が飛ぶようになりました。
恵比寿では、その低さを実感できます。
よいのかどうかは別にして、撮る立場からすると、
いままでに見たことがない景色で、新鮮な感じです。

帰り道は街の中を抜けて、駅まで向かいます。
数ヶ月ぶりの恵比寿は、やはり変化をしているようです。
ブランクは気にならずに、スナップをしながら歩けたものの、
ひさびさの都会に緊張をして、疲れ果てました。


 撮影地 : 東京都 恵比寿
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.14 ■■■
#1259 それなりに

学生時代における美術の成績は、芳しくありませんでした。
画才がないことが、根本的な原因なのですが、
注意力と根気が欠如をしているのも、致命的なのだと思います。

角材からこけしを彫り出す授業があり、ノミを打ち込んでいたら、
気が抜けた瞬間に、頭がぽろりと取れてしまいました。
胴体の部分だけをダイコンですと提出をしたところ、とんでもなく先生に怒られました。

シャッターを切る一瞬だけ集中をすれば、写真はとりあえずなんとかなるので、
自分のような人間でも、それなりにやれている気がします。


 撮影地 : 東京都 原宿
写真をクリックすると拡大します



■■■ 2020.7.15 ■■■
#1260 マスクをすると

新型コロナウイルスの対策で、外出をする時のマスクは欠かせませんが、
口と鼻を覆われると、思考回路の働きが悪くなります。
日頃からろくな考えが浮かばないのに、さらに拍車がかかる感じです。

写真を撮る感覚も、なんとなく鈍ります。
カメラを手に歩いても、闇雲に徘徊をしているだけのようになり、
シャッターを切る回数が、明らかに少なくなるのです。

頭に袋を被せられると動けなくなる犬を、テレビで見た記憶がありますが、
基本的には、それと同じなのかもしれません。


 撮影地 : 山梨県 十日市場
写真をクリックすると拡大します


トップページはこちら  「なまらなんくるないさ」掲載一覧はこちら  前のページはこちら  次のページはこちら