なまらなんくるないさ



■■■ 2020.3.23 ■■■
#1201 フィルムの桜

2002年にデジタルカメラを使い始めるまでは、カラーもフィルムで写していました。
1201回目で初めて、その昔にリバーサルで撮影をした写真を掲載します。

桜を撮る時には、いくつかの濃さの違うマゼンタのフィルターを持ち歩き、
花の色を美しく出すために、経験と勘を頼りに使い分けてきました。
デジタル化されてからは、後で補正をすることができるため、
シャッターを切る時は、より被写体に集中ができる気がします。

あちらこちらから、今年も満開の便りを聞きますが、
新型コロナウイルスのおかげで、すべてが吹き飛んでしまいました。


 撮影地 : 奈良県 吉野
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■■■ 2020.3.24 ■■■
#1202 いろいろなはじめて

いままで、救急車を呼ぶこともなく平穏に生きてきたものの、
この半年で、立て続けにお世話になりました。
救急隊は3人がひとつのチームで、最初の時は若い男性が隊長でした。
とにかくきびきびしていて、流れるように迅速に搬送をしてくださいます。
2度目は女性がリーダーで、現場の緊張感を和らげつつ、
これもまた無駄のない動きで、素早い対応でした。
プロフェッショナルとはいえ、東京消防庁はさすがです。

先生の説明があるまでの間、病院の近くのお寺を歩きました。
口紅をされているお地蔵さまにお目にかかるのは、初めてかもしれません。


 撮影地 : 東京都 今川
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■■■ 2020.3.26 ■■■
#1203 ディープな世界へ

今年度の木村伊兵衛写真賞が、つい先日に発表されました。
この数年の傾向としては、外面のイメージだけではなくて、
コンセプトに対する評価が、相対的に重視をされている感じがして、
毎日のように写真のことを考えている人でも、理解が難しいかもしれません。

写ルンですから写メやスマートフォン、そしてブログやインスタグラムなどが、
社会の中で急速に普及をして、多様化するようになると、
ひとつの賞ですべてを網羅をするのは、無理な気がします。
写真界における栄誉が目的であるならば、浅く広く受け入れられる必要はなくて、
ディープなところに向かうのは、自然なことなのかもしれません。


 撮影地 : 東京都 荻窪
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■■■ 2020.3.27 ■■■
#1204 西方浄土

夜中に電話があり、病院に駆けつけましたが、
息を引き取るところに、立ち会うことができませんでした。
ひとりで旅立たせてしまい、申し訳ない気持ちです。

学生の時にも経験をしたことがない完徹を、生まれて初めてしました。
前日の朝から寝ていないので、1日がやたらと長く感じます。
やるべきことを、ひとつずつ落ち着いてしていかないといけません。

昨日までは夕陽が輝いていた空に、見たことがないような雲が出ていました。
その上に乗り、父は西方浄土へと向かうのだと思います。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.3.28 ■■■
#1205 遺影

遺影を選びましたが、選択肢はさほど多くはありません。
年老いてからの親に、正面からシャッターを切るのは、
葬式のためではないかと勘繰られそうで、あまりできませんでしたが、
いまにしてみれば、どんどん写しておけばと悔やまれます。

永遠の眠りについた直後の姿も、撮影をしました。
やや不謹慎と感じる人も、もしかするといるかもしれませんが、
もう見られない光景を撮るのは、その瞬間を持ち続けたいからです。
平面的で、なおかつ静止をした状態だとしても、
大切な時を遺せるのが、写真の素晴らしい特質だと思います。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.3.30 ■■■
#1206 最期の雪

桜の花に雪が積るのは、東京では31年ぶりらしいです。
弘法大師さまの背後にある枝垂桜も、白くお化粧をしています。
雪景色が好きな父に、見せてあげられずに残念ですが、
もしかすると、どこかの空から眺めているのかもしれません。

このような日に散歩をしても、かつては誰かに会うことはほとんどありませんでしたが、
どうしたことか、意外にも多くの人とすれ違いました。
新型コロナウイルスによる運動不足で、みなさん体を動かしたいのかもしれません。
散歩をしながら撮影することを、日課のようにしていると、
体調管理にもなるので、一石二鳥です。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.4.2 ■■■
#1207 毎日コロナ

コロナという言葉を、1日に数百回は聞いているような気がします。
問題がこれほどまでに大きくなるとは、当初は想像もつきませんでした。
ワクチンが開発されるか、特効薬が見つかるか、
少なくともそのどちらかができるまでは、収束をしないのかもしれません。
ちなみに、終息と収束は似ていますが
完全に終わるという意味の前者に対して、後者は解決の方向に進むということらしいです。

感染のリスクを避けるために、多くの企業が在宅勤務に切り替えていますが、
自分がテレワークをする姿は、まるで想像がつきません。
撮影に出かけたい誘惑で、たぶん仕事にならないと思うのです。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.4.3 ■■■
#1208 散策日和

桜は散り始めましたが、遠目には綺麗です。
薄曇りで暖かく、花見には絶好の陽気になりました。

いつもよりも、公園を歩いている人が多いようです。
街に向かうのであれば、マスクをしないといけませんが、
自然の中を散策するのならば、普段のままでも出かけられます。

残念ながら、施設が閉鎖をされてしまい、
ペダルボートも、退屈そうに浮かんでいるだけです。
水鳥たちは池を独占できて、喜んでいるのかもしれません。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.4.5 ■■■
#1209 消滅する母校

母校である小学校が、徐々に変化をしています。
まずはプールの位置が変わり、続いて体育館が新しくなり、
校庭の巨大なイチョウの木は、いつの間にか抜かれて、
卒業記念植樹は、影も形もありません。
そして思い出の校舎も、ついに建て直すことになりました。

物理的に形のあるものが、すべて置き換えられてしまうと、
これから訪れたとしても、なんの感慨も感傷も起きないかもしれません。
時代の趨勢でこのようになるのは、重々承知なのですが、
自分の過去も消えてしまうようで、そこはかとない寂しさを覚えます。


 撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2020.4.7 ■■■
#1210 不要不急

緊急事態宣言が出されたために、不要不急の外出は控えなければいけませんが、
我が身の行動で必要なものなど、そもそもない気がしますし、
深く考えてしまうと、生きているのすらどうなのだろうかとも思うのです。

昨年の4月は海外からの旅行者も多くて、有楽町の駅前も混雑をしていました。
いまはどのくらいの人がいるのか、目で見て確かめてみたいところなのですが、
天の邪鬼の自分ですら、さすがに出かける気にはなりません。

地震や水害や戦争など、少なくとも一度は大きな天災や人災に遭遇をしてしまうのは、
半世紀も生きていれば、仕方がないことなのかもしれません。


 撮影地 : 東京都 有楽町
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