なまらなんくるないさ



■■■ 2013.12.20 ■■■
#081 たかがされど


好きな写真家、ジョセフ・クーデルカさんの回顧展に行きました。
ほどよい混み具合いで、静かに鑑賞ができます。
やはり、平日の午前中がよいようです。

柔らかく捉えた光、黒が印象的なやや硬めのプリント、
そして、上下左右目一杯のフレーミング、
それらが一体となり、静謐なモノクロームの世界へと誘われます。

落ち着いた構図は、観る人の意識を写真へと集中させてくれるのです。
たかが構図、されど構図なのかもしれません


撮影地 : 神奈川県 江ノ島 
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■■■ 2013.12.22 ■■■
#082 暖かそうな場所

日向にいる猫を、よく見かけます。
モコモコとした、自前の暖かそうな毛皮を着ていても、
所詮、猫は全裸です。
相当毛深い人でも、真冬のハダカはきついですから、
猫が寒がるのも、仕方がありません。

オレンジ色の幕の前は、ぽかぽかしていそうですが、
猫は赤系の色を判断できないらしいので、黄色く見えているのかもしれません。
黄色だとしても、暖かそうな場所ですが、
そもそも、黄色を暖かい色だと認識をしているのかどうかもわかりません


撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2013.12.24 ■■■
#083 クリスマスの思い出

10年ほど前、大きなクリスマスツリーのイベントに、
シークレットゲストとして姿を現したのは、なんとアントニオ猪木さん。
サプライズに、会場が一瞬どよめきました。

クリスマスケーキに醤油をかけるような、まさに異種の組み合わせで、
登場をするなり、嫌がる司会者にお決まりの張り手をかました後、
元気があれば、子供ができる!と大声で叫んで姿を消しました。
子供たちはポカ~ン、大人たちはサーッと引いて、
真冬の函館の夜は、さらに冷えた込んだのでした。
どのように転んでも、インパクトは絶大です


撮影地 : 北海道 函館 
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■■■ 2013.12.26 ■■■
#084 雨なら透明

雨の中で撮影をする時は、透明なビニール傘を使わないと、
被写体の露出が落ちたり、傘の色被りが生じることがあります。

ビニール傘というと、普通は透明か白ですが、
沖縄では、カラフルな色ばかりなのには驚きました。
直径が70センチのものがあれば、カメラバッグもそれほど濡れずにすみますが、
大きいものは風圧がかかりやすいために、注意が必要です。

コンビニから出て傘を広げるやいなや、突風で骨がぼきぼきに折れたことがあります。
同じ店で同じ傘を、すぐにまた買いました。


撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2013.12.28 ■■■
#085 表よりも裏

どのような町にも、スナックなどが集まる場所があります。
お酒が好きな人なら、夕方になれば足を運び、
よさそうな店があれば、そこで1杯となるのかもしれません。

残念ながら、自分はあまり飲めませんが、
飲食店が密集した路地を、よく歩いています。
しかも、夜ではなくて明るい自然の光の中です。
そのような場所では、昼間はいわば裏の時間。
静かな時間を過ごしながら、ふらふらと歩くのが楽しいのです。
ひねくれ者なので、表よりも裏が好きなのかもしれません。


撮影地 : 北海道 函館 
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■■■ 2013.12.30 ■■■
#086 家事をしながら

掃除や洗濯など、家事はすべてやります。
好きとか嫌いとかではなくて、しないといけません。
自分以外には、する人がいないのです。

上手かどうかというと、下手なほうですが、
幸いなことに、それほど苦にはなりません。

家事をしている最中に、綺麗な光を見つけることがあり、
そのような時は、得をした気分になります。
カメラのお陰で、退屈をすることがないのです。


撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2014.1.1 ■■■
#087 夢ではフィルムで

夢の中でも、よく旅をするのですが、
その時も、いつもカメラを手にしています。
いまは、ほとんどがデジタルで撮影をしているものの、
夢に出てくるのは、いまだにフィルムです。
デジタルカメラは、使い始めてまだ10年ほどなので、
無意識だと、カメラといえばフィルムなのかもしれません。

お気に入りの写真立てに、夢でよく使うカメラの写真を入れました。
現実では、あと何年使うのかわかりませんが、
いつか、夢の中だけのカメラになるのかもしれません。


撮影地 : 東京都 練馬
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■■■ 2014.1.3 ■■■
#088 駆け抜ける男

旅先の駅で歩いていると、なんとなく違和感がします。
いつもより、いくぶん背が低い気がするのです。
足元を見ると、○○ホテルと書いてあるトイレのスリッパを履いていました。

それまで散々あちらこちらと歩き回り、食事までしていたのですが、
気がついてしまうと、いたたまれない恥ずかしさです。
まわりの視線がすべて、自分の足に集中をしているようにすら感じられます。
急ぐとパタパタと音がしますが、少しでも早くホテルに戻りたい気分です。
欽ちゃん走りで繁華街を駆け抜ける、便所スリッパの男。
その不自然さで、むしろ悪目立ちをしていたかもしれません。


撮影地 : 北海道 小樽 
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■■■ 2014.1.5 ■■■
#089 マンボウというと

マンボウというと、暖かい海に棲んでいる魚ですが、
地球温暖化の影響か、オホーツク海でも捕まるようになりました。
それまで、見たことのない妙なのが現れて、
ケガニやタラバガニは、海の底で驚いているかもしれません。

マンボウというと、どくとるマンボウこと北杜夫さん。
高校生の時に、健康診断の2次検査の待ち時間が長くて暇なので、
病院のそばの本屋でたまたま手にしたのが、「どくとるマンボウ航海記」でした。
いまでもたまに読み返す、大切な愛読書です。
あのような旅をしたいなあというのが、自分の原点かもしれません。


撮影地 : 北海道 網走
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■■■ 2014.1.1 ■■■
#090 ひとそれぞれ

あまりに夕景が綺麗なので、思わず途中下車をします。
しかし、次の便がまだあることを確認しておかないといけません。

バスが走り去ると、あたりは完全に無音になりました。
すべての音を、流氷が吸収をしてしまいます。

しばらくすると車が止まり、ひと組の男女が写真を撮り始めました。
それぞれが、まるで違う方向を写しています。
女性はデジカメの横位置で、男性は携帯の縦位置。
それを見ている自分は、横位置でふたりをフレームに収めました。


撮影地 : 北海道 斜里 
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