新緑が綺麗な季節になり、気持ちよく散策ができるようになりました。
軽く撮りに出たつもりでも、3時間くらいは歩いてしまいます。
いつも同じところをぐるぐる回ると、飽きそうなものですが、
朝昼夕の光や天候の違いもあるので、なんらかの発見があります。
それでも何も考えないでいると、いつも同じ目線になり、
被写体や撮り方にも変化がなく、似たような写真が多くなるのです。
少し違う角度で眺めることを、いつも心掛けていますが、
物の見方や興味は、一朝一夕には変わらないものかもしれません。
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#325 野の老人
吊り下がる花として#315でケマンソウをご紹介しましたが、このアマドコロも可愛らしいです。
根に髭のようなものが生えている姿を老人にたとえて、野老と書いてトコロと読む植物があり、
食べると甘いということで、アマドコロという名前がつきました。
これをトコロと読ませるのは、Qさまに出題されそうな難読ではないかと思いますが、
野老さんという苗字の方もいますし、埼玉県の所沢も昔は野老沢と書いていたそうです。
30センチくらいの高さなので、地面に這いつくばるように撮影をしましたが、
その姿こそまさに、野の老人かもしれません。
背景にツツジの赤を入れたので、華やかな感じがします。
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#326 見慣れた花も
シロツメクサといえば、以前はどこでも目につきましたが、
最近は陽当たりのよい空き地が少ないせいか、あまり見かけません。
外来の植物に追いやられている感じもしますが、そもそも日本の固有種ではありません。
江戸時代に輸入品の緩衝材として使われていたものが、国内に拡がりました。
ツメクサという名前が用途を暗示していますし、別名がオランダゲンゲというのもわかります。
ゲンゲというのは、レンゲのことです。
花のように見えるのは、ちいさな花の集合体で、
ひとつひとつを見ると、いかにもマメ科の植物です。
拡大をしてみると、精巧で美しい形をしています。
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#327 美しいフォルム
暖かくなり、イトトンボではないトンボの羽化も目につくようになりました。
以前に、アジアイトトンボとアオモンイトトンボの見分けがつきにくいことを書いたように、
シオカラトンボとシオヤトンボとコフキトンボも、かなりよく似ています。
3種類はすべて、このあたりに棲んでいて、
この写真のお腹の感じは、シオカラトンボに似ているものの、
翅の先端も付け根も透明なので、コフキトンボではないかと思います。
トンボを見ていると、いつも感心をしてしまいます。
どうして、それほどまでに目玉と翅が大きくて美しいのだろうかと。
生きていくために必要な部位は、極度に発達をするのかもしれません。
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#328 どこから来たのか
河川敷の改修工事で、草木が取り払われた地面に、
早くも植物が芽を出して、一面に生い茂りました。
種が飛んで来たにしては数が多いので、土に紛れていたのかもしれません。
その中に、1本だけゼニアオイが咲いていました。
名前の通り、硬貨と同じくらいの大きさの花です。
もともとは、江戸時代に園芸用として海外から持ち込まれたようですが、
いまでは野草のように、自然に繁殖をしています。
メインになる花を決めて、バランスを考えながら写しました。
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#329 まだおります
スイレンが満開になり、そこにチュウダイサギが来ました。
水面ぎりぎりを、くるくると何度も旋回すると、
着水しないで、そのままいずこへかと飛んでいきました。
まるで、お花見をしているみたいです。
ダイサギの仲間には、日本に冬に来るものと夏に来るものがいます。
このあたりでは越冬をして、例年だと夏にはいなくなるのですが、
ここの池の魚はぼんやりしていて、捕獲をしやすいのか、
今年はまだいて、このまま居続けるのかもしれません。
夏には嘴が黒くなるので、そろそろその姿も見たいものです。
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#330 美しく臭い虫
カメムシ好きな人は、あまりいないと思いますが、
アカスジキンカメムシは宝飾品のようで、たぶん誰もが認める美しさです。
背中の模様はナスカの地上絵のようで、意味ありげな感じがします。
これがカブトムシならば大人気なのに、少々残念です。
この葉はドクダミで、白い蕾がもうじき開きます。
綺麗な花なのに雑草扱いをされてしまい、こちらもまた可哀想です。
アカスジキンカメムシの幼虫は、親とは似ても似つかぬ白と黒のツートンで、
微妙に美しくもありますが、ゴキブリのようでもあります。
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