晴れ、ときどき更新



■■■
2014.9.24
■■■
#211 此岸で咲く

この季節になると咲くのが、彼岸花です。
土から芽が出ると一気に伸びて、瞬く間に花が開きます。

川のこちらは此岸(しがん)、向こうが彼岸です。
あの世の花という名前の彼岸花が、妖しい感じなのはわかります。

彼岸花は、曼珠沙華とも呼ばれていて、
マンジュシャゲと読むのが普通ですが、マンジュシャカという人もいます。
サンスクリット語のマンジュシャカは、天空に咲く花という意味で、
別の植物のことらしいのですが、彼岸花にも相応しいように思います。


 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.9.26 ■■■
#212 雁金草

カリガネソウの名前の由来には、諸説があるようです。
雁が飛んでいるような花というのもありますが、あまりそのようには見えません。

雄しべと雌しべは、花びらから大きく離れたところにあり、
花に来た虫の背中に花粉が付いて、受粉をするようです。
ちいさなアブなどは、ホバリングをしながら雄しべの先を舐めます。

見た感じの美しさを、写真に表現をしにくい花です。
ピントをどこに合わせるのかも、悩みどころになります。
背景のボケの位置と大きさを、少し考えながら写しました。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.9.28 ■■■
#213 待てば来る

#056でもご紹介をした、ツマグロヒョウモンです。
前回は雄でしたが、今回のこちらは雌になります。

雌の翅には、白いラインがついています。
得てして生物は、雄が派手なことが多いのですが、
ツマグロヒョウモンは、雌のほうが目立ちます。

近づこうとしたら、逃げられたものの、
しばらくすると舞い戻り、また蜜を吸い始めました。
どのようなものでも、待てば来るのかもしれません。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.9.30 ■■■
#214 あるがままに

モクレンの木の下に、実が落ちていました。
モクレンとコブシは似た花を咲かせますが、実の形はかなり違います。
#057でご紹介をしたコブシは、まさに握り拳のようで、
モクレンは#135のように、雌しべそのままです。

地面に落ちている実は、撮影がしやすいように置き直したくなることがありますが、
そこにあるものは、あるがままに撮るのがよいようです。
少なくとも自分の場合は、手を加えると収拾がつかなくなりかねません。
できるだけ全体がシャープになるように、手ぶれをしない範囲で小絞りにしました。
まさに、パカッという感じで開いています。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.10.2 ■■■
#215 ついつい写す

家の近くに、昔からウジャウジャいて、
いまもたくさんいるのが、ツマグロオオヨコバイです。

ツマグロというくらいで翅の端が黒いのと、頭の斑点が特徴で、
目立つせいか、つい写してしまうのです。
臆病なのか用心深いのか、近づくと横に動いて姿を隠しますが、
ありがたいことに、鈍感で逃げないものもいます。

黄色い花は、カラスノゴマです。
胡麻のような実が名前の由来ですが、なぜカラスなのかはわかりません。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.10.4 ■■■
#216 今年最後のTシャツ

10月だというのに、最高気温が31度になりました。
季節の変わり目のせいか、心身ともによくないのですが、
夏のような日に、今年最後のTシャツを楽しむために出かけます。

池ではバンがのんびりと泳ぎ、ギンヤンマがよろよろと飛んでいました。
アブラゼミの弱々しい鳴き声も、遠くから聞こえます。
30度を超えても、やはりもう秋です。

体調がいまひとつだと、カメラもすんなりとバッグから出なくて、
撮り逃がしたシーンが、いつもよりも多いような気がします。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.10.6 ■■■
#217 台風前日

目を覚ますと、予報通りの雨です。
最大級の台風が、近づいています。
まだ、風は吹いていないので、
カメラを手に、あたりをぐるりと歩いてみました。

ビニール傘に、雨粒が激しく当たる音がします。
でも、風がなければ撮影日和です。

ザクロの実が、頬のように色づいています。
あと10日もすれば、割れて種が見えるかもしれません。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.10.8 ■■■
#218 忍び寄る影

この季節に、蝉が木の上でギャーギャーと騒ぎ始めたら、
カマキリに捕えられたと考えて、ほぼ間違いはありません。

どの木に止まるのかわからない蝉を狙うとは、カマキリはギャンブラーです。
花のところにいれば、虫は自然と近づいてくれますが、
蝶などは食べるところが少ないので、たくさん捕えなくてはなりません。
それに対して、蝉を見つけるのは大変かもしれませんが、
1匹でも捕えることができれば、十分すぎるほど満腹になるのだと思います。
樹木の大海原で、ひたすら蝉を探すカマキリは、
一攫千金を狙う、自然界のマグロ漁師のようなものかもしれません。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.10.10 ■■■
#219 鈍感ですか

お腹に目盛りの模様がある、その名もモノサシトンボ。
雄は青味があり、雌は褐色系です。
カップルで作り出すハートを、#029でご覧いただけます。

トンボの中でも、撮りやすいほうだと思います。
とにかくよく休み、近づいてもあまり逃げません。
レンズがぶつかるまで接近をしても、平気なこともあるのです。

恐いもの知らずなのか、それとも鈍感なのか。
自分がカマキリならば、彼は完全に食べられています。

 写真をクリックすると拡大します



■■■ 2014.10.12 ■■■
#220 前衛芸術家

中央部にギザギザがあるのは、ナガコガネグモの巣です。
この模様は隠れ帯とか白帯と呼ばれ、何のためにあるのかは諸説あり、
最大の理由は、自分の身を隠すためではないかと思われます。
蜘蛛といえども、巣の真ん中にいるのは無防備なので、
白いモヤモヤの裏に、身を隠しているのかもしれません。
この隠れ帯を作るのは、主に幼虫の頃が多いので、
弱い時期に自分を守るため、と考えるのが自然のように思います。

それにしても、見事な模様をしています。
まさに、前衛芸術家です。

 写真をクリックすると拡大します


  トップページはこちら    「晴れ、ときどき更新」掲載一覧はこちら   前のページはこちら   次のページはこちら