晴れ、ときどき更新



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2021.5.5
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#1371 避難中

昨年に続いて今年もまた、近所の池は大賑わいです。
コロナ禍で遠出ができないファミリーが、ザリガニ釣りに興じて、
日光浴をしているトカゲやカナヘビも、次々と捕えられています。
捕虫網を手にした女の子も、最近は普通に目につくようになり、
昆虫採集が男性の専売特許の時代は、完全に終焉を迎えました。
生き物たちには、受難のゴールデンウィークです。

赤い実をつけたヤマグワの葉の上に、コミスジがいます。
逃げている間に、ひと休みをしているのかもしれません。
もう少しすれば、また静かな公園に戻るはずです。


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■■■ 2021.5.6 ■■■
#1372 朴の花

#705のタイサンボクと似ている、同じくモクレン科のホオノキです。
やはり木の高い位置で咲くことが多くて、花びらは重過ぎて垂れ気味になります。
花の中央には、迫力満点の雌しべと雄しべがあり、
初日に前者が2日目に後者が出て、自家受粉をしないようにしています。
撮影可能な低いところにある花を選び、左手で枝を少し下げながら、
背面のモニターを見上げながら、日没間近の赤い光が残るように撮りました。

葉も巨大かつ丈夫で、殺菌作用があるために、
食べるものを包む用途で使われることがあり、それが名前の由来です。
皿の代わりのようにした、朴葉焼きとしても知られています。


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■■■ 2021.5.7 ■■■
#1373 身近な鳥ですが

キジバトは名前の通り、羽のうろこのような模様がキジに似ています。
62円や80円の切手の図案として採用をされるなど、ポピュラーな鳥ですが、
被写体としての人気は、さほどではないのかもしれません。

個人的にはお気に入りで、すでにウェブサイトでは4回もご登場をいただいています。
近づいても逃げないので、撮りやすいのは嬉しいのですが、
落ち葉の上では保護色でわかりにくくて、危うく踏みそうになることもありました。
人間のほうが避けて歩いてくれると、あちらさまは勝手に思い込んでいたのかもしれません。
危害を加えられないためか、このところ人に慣れ過ぎている気がします。
もう少し緊張感を持ちながら生きたほうがよいのではないかと、鳥ごとながら思うのです。


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■■■ 2021.5.9 ■■■
#1374 越冬をしたトンボ

夕方に池のほとりを歩いていると、オツネントンボがいました。
今年に羽化をするのは、もう少し先のはずなので、
この個体は、越冬をしたものだと思います。
止まる時に、翅は左右に2枚ずつ振り分けるのではなくて、
お腹のどちらか側に、4枚を纏めることが多いようです。

最大風速が6メートルで、瞬間的にはさらに強く吹く嵐のような日で、
ロデオのように振り回されながら、ヘクソカズラの蔓に必死で掴まり続けています。
絞りはf/8を確保しながら、被写体ぶれをしないように高速シャッターを切るために、
明るくても感度は3200に設定をして、風が弱まる瞬間を待ちました。


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■■■ 2021.5.11 ■■■
#1375 梅ではない

ソシンロウバイの花は、#446のように綺麗ですが、
実のほうは観賞に向かなくて、形も色も可愛くありません。
先端の形状は、クリオネが捕食をする時に出す触手にも似て、
いまにも噛みつきそうで、恐ろしい感じです。

ロウバイを漢字では蝋梅と書き、唐梅とも呼ばれますが、
梅とは遠い親戚ですらなくて、縁も所縁もありません。
強い毒があるので、火曜サスペンス劇場では使うことができても、
一般の人たちは、梅酒や梅干しにすると危険です。
毒を以て制すのように、本場中国では漢方薬にされています。


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■■■ 2021.5.12 ■■■
#1376 翼鏡

ほとんどのカモは北へと旅立ちましたが、雄の1羽だけが居残りを決めたようです。
日本に来る目的が、合コンをしてカップルを探すためなので、
一緒に帰る伴侶が見つからなければ、シベリアまで遠路はるばる帰る必要もなくて、
そのままひとりでのんびりと暮らしたほうがよいというのは、合理的な判断なのかもしれません。
このオナガガモには、シンペイと名付けました。

風切羽の二段目に橙と緑の部分があり、翼鏡と呼ばれています。
カモには特有のもので、種類により色が異なり、
普段はほとんど隠れていますが、飛んでいる時には目につくため、
空を群れで移動をする場合に、仲間の目印として使われるようです。


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■■■ 2021.5.13 ■■■
#1377 ジャンボで腹黒

近くにある梅の木で、たくさんのナミテントウが群れている中に、
3倍か4倍くらいの大きさはある、ひときわジャンボなのが1匹いました。

日本3大テントウムシのひとつ、ハラグロオオテントウです。
初めてお目にかかる種類ですが、それもそのはずで、
もともとは西日本にしかいなくて、最近になり棲息域を東へと拡大しています。
これもまた、温暖化の影響に違いありません。

可愛い顔なのに、ハラグロなどというのは可哀想な気がしますが、
類似種のオオテントウの腹は橙色なので、差別化のためのようです。


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■■■ 2021.5.15 ■■■
#1378 似ているシステム

長さが20センチほどもある、ムサシアブミの仏炎苞です。
その内側で花は咲くので、外からは見えません。

雌雄異株の虫媒花で、ハエなどを匂いで誘い込みますが、
雄株のほうは上下に穴があり、通り抜けがしやすいものの、
雌株は片側にしかないために、花粉を運んで来た虫は出るのが大変で、
ばたばたして受粉が増えるという、やや嫌らしいシステムです。
ぼったくりバーと、似ているのかもしれません。

このような構造が変化をして、食虫植物が生まれたのではないかと思います。


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■■■ 2021.5.16 ■■■
#1379 残念ながら

4月の末あたりには、もうオオヤマトンボが見られます。
温暖化の影響か、最近はこのくらいの時期で定着をしたようです。

これは、かなり立派な大きさをしています。
しかし、翅の先端がよれよれです。
ヤゴから出る時に、抜くことに失敗をしたのか、
はたまた、羽化をした直後に誰かに掴まれたのか、
どちらにしても、もう飛ぶのは難しいに違いありません。
きちんとトンボになり、大空に舞い上がれるのは、
たくさんの卵のうちの、ほんのひと握りだけなのだと思います。


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■■■ 2021.5.17 ■■■
#1380 ややこしい木

#1175でご紹介をしたのは、日本が原産地のトチノキですが、
これは花の色が違うだけではなくて、アメリカ生まれのアカバナトチノキと、
マロニエとも呼ばれている、ヨーロッパのセイヨウトチノキを交配したという、
ワールドワイドでややこしい、ベニバナトチノキという種類になります。
都会で見かけることが多いのですが、20メートルくらいにも成長をするために、
街路樹にはやや大き過ぎてしまい、公園などに向いているのかもしれません。

高いところで咲くためにアングルが限られて、似たようなカットになりがちです。
木漏れ日のボケを入れると、煩雑な感じがするので、
背景がフラットになるように、シンプルに写しました。


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